ユーザーの「選択肢」を減らしたら、CVRが上がった話
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YTBです。
現在は主にマイナビ転職・マイナビスカウティングのコンテンツを担当しております。
日々サイト改善をしていると、「もっとバナーを出したほうがいいのでは?」「ここにもCTAを置いたほうがいいのでは?」と、 足す方向の発想になりがちだなと感じることがよくあります。
ただ最近、いくつかの施策を通して、 「あえて減らす・なくすことで、むしろCVRが改善した」という体験をしたので、 その実例と、そこから感じたことを共有できればと思います。
ユーザーの選択肢を減らした施策事例
今回は、「 ユーザーの選択肢を意図的に減らす」という観点で行った、2つの施策を紹介します。
取り組み内容まとめ
| 施策内容 | 変更点 | 結果 |
| ①メニューバーCTA改善 | ボタン数:3 → 2 | CV:+180.0% CVR:+0.51pt |
| ②記事内ランダムCTA改善 | 遷移先:3 → 1 | CV:+125.4% CVR:+25.4pt |
※いずれも施策前後の同期間比較での数値です。
施策① メニューバーのボタンを「3つ → 2つ」にした施策
施策概要
メニューバー内に設置していたCTAボタンを、 3つ → 2つに削減しました。
変更前は、「選択肢が多いほうが、ユーザーにとって親切なのでは?」「用途別に分けたほうが、取りこぼしが少ないのでは?」と考えており、場所的に入るだけの個数、3つのボタンを設置していました。
ただ何度か効果検証をする中で、ボタンによってCVの効果が異なることが分かってきたこともあり、これまでは3つのボタンをデフォルトで考えてしまっておりましたが、改めてユーザーの思考を考えたときに、「選択肢が3つあることで、どれを押せばいいか迷ってしまう」状態になってしまっている可能性もあるのでは?と思い、 思い切って整理してみることにしました。
▼変更前

↑ボタン3つ
▼変更後

↑ボタン2つ
結果・考察
- SS:89.0%減少
- CV:180.0%上昇
- CVR:+0.51pt上昇
※施策前後の同期間比較
施策前後でセッション数は減少していますが、セッションが多いけどCVに繋がっていないボタンを削除したことで、CVに繋がりやすいボタンのみに絞られ、 ユーザーの行動がシンプルになったことで、CVR上昇につながったのではと考えています。
施策② 記事内ランダムCTAの遷移先を「3つ → 1つ」にした施策
施策概要
記事内に設置しているランダムCTAの遷移先を、 3パターン → 1パターンに変更しました。
変更前は、ユーザーの属性が幅広い(転職潜在層~顕在層まで)可能性を想定し、どれかは刺さるだろう という発想で、複数の遷移先を用意していました。
ただこちらも効果検証をする中で、元々想定していたよりも、転職意欲の高いユーザーが多い傾向が分かってきたことから、遷移先の選択肢として、「診断コンテンツ」「TOP」をなくし、エントリーフォームへ一本化しました。

↑赤いボタンのCTAです。
ページを読み込む度にランダムで複数パターンが表示される。
▼施策前後での変更内容
| パターンAの遷移先 | パターンBの遷移先 | パターンCの遷移先 | |
| 施策前 | エントリーフォーム | TOP | 診断コンテンツ |
| 施策後 | エントリーフォーム | エントリーフォーム | エントリーフォーム |
結果・考察
- SS:22.7%減少
- CV:125.4%上昇
- CVR:+25.4pt上昇
こちらも施策前後でセッション数は大幅に減少していますが、施策前は「診断コンテンツ」がセッションを大きく稼いでいたためです。ただ、「診断コンテンツ」はセッションを稼げるけどCVに繋がりにくい遷移先だったため、これを減らしました。その結果、転職意欲の高いユーザーを、CVに繋がりにくい遷移先に流すことなく、エントリーフォーム にしっかり送り込むことができるようになったため、CVR上昇につながったのではと考えています。
「減らす」という考え方
今回の施策を振り返って感じたのは、 「減らす・なくす」という考え方は、慣れてきたときほど意識的に考えたほうが良いなと思いました。
Webサイト運用をしていると、自分のサイトを見慣れてしまって、初見のユーザーの気持ちを忘れてしまったり、「いつもあるから、これが普通」「なくしたら不親切なのでは?」と感じてしまい、 そもそも減らす選択肢が思い浮かばなくなることがあります。
この感覚は、 書籍『エッセンシャル思考』を読んだときの感覚と重なりました。
- すべてをやろうとしない
- 本当に大切なものに集中する
- それ以外は、思い切って手放す
「より少なく、しかしより良く」
時間の使い方の話として紹介されることが多いですが、 Webサイト設計や導線設計にも、応用できる考え方だなと感じています。
蛇足ですが、私が「片付け」や「整理」に興味を持ち、 整理収納アドバイザーの資格を取るきっかけにもなった一冊です。
※flierでも要約が読めます。
https://www.flierinc.com/summary/417
まとめ
今回は、「ユーザーの選択肢を減らす」というシンプルな視点で行った施策と、 その結果について共有しました。
今回の結果を通して改めて感じているのは、バナーやCTAは、たくさん出せばクリックは増えるかもしれないけれど、CVRが必ずしも上がるわけではない、ということです。
これからは、「ユーザーをできるだけ迷わせない」「最低限の接客で、最大の成果を出す 」そんな導線設計を目指していきたいと考えています。
整理整頓と同じで、
- 自分にとって大切なものが分からないと、不要なモノは減らせない
- ユーザーにとって大切なものが分からないと、不要な導線は減らせない
結局のところ、 ユーザーを理解すること・想像することが一番大切なのだなと、今回の施策を通して改めて感じました。派手な施策ではありませんが、こうした小さな改善の積み重ねが、最終的な成果に繋がるのではないかなと思っています。
どこか一部分でも、 日々の改善のヒントになれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※本記事は2026年04月時点の情報です。