2026/04/03

マーケティング

ユーザーの「選択肢」を減らしたら、CVRが上がった話

この記事の目次

    YTBです。
    現在は主にマイナビ転職・マイナビスカウティングのコンテンツを担当しております。

    日々サイト改善をしていると、「もっとバナーを出したほうがいいのでは?」「ここにもCTAを置いたほうがいいのでは?」と、 足す方向の発想になりがちだなと感じることがよくあります。

    ただ最近、いくつかの施策を通して、 「あえて減らす・なくすことで、むしろCVRが改善した」という体験をしたので、 その実例と、そこから感じたことを共有できればと思います。

    ユーザーの選択肢を減らした施策事例

    今回は、「 ユーザーの選択肢を意図的に減らす」という観点で行った、2つの施策を紹介します。

    取り組み内容まとめ

    施策内容変更点結果
    ①メニューバーCTA改善ボタン数:3 → 2CV:+180.0%
    CVR:+0.51pt
    ②記事内ランダムCTA改善遷移先:3 → 1CV:+125.4%
    CVR:+25.4pt

    ※いずれも施策前後の同期間比較での数値です。

    施策① メニューバーのボタンを「3つ → 2つ」にした施策

    施策概要

    メニューバー内に設置していたCTAボタンを、 3つ → 2つに削減しました。

    変更前は、「選択肢が多いほうが、ユーザーにとって親切なのでは?」「用途別に分けたほうが、取りこぼしが少ないのでは?」と考えており、場所的に入るだけの個数、3つのボタンを設置していました。

    ただ何度か効果検証をする中で、ボタンによってCVの効果が異なることが分かってきたこともあり、これまでは3つのボタンをデフォルトで考えてしまっておりましたが、改めてユーザーの思考を考えたときに、「選択肢が3つあることで、どれを押せばいいか迷ってしまう」状態になってしまっている可能性もあるのでは?と思い、 思い切って整理してみることにしました。

    ▼変更前

    ↑ボタン3つ

    ▼変更後

    ↑ボタン2つ

    結果・考察

    • SS:89.0%減少
    • CV:180.0%上昇
    • CVR:+0.51pt上昇

    ※施策前後の同期間比較

    施策前後でセッション数は減少していますが、セッションが多いけどCVに繋がっていないボタンを削除したことで、CVに繋がりやすいボタンのみに絞られ、 ユーザーの行動がシンプルになったことで、CVR上昇につながったのではと考えています。

    施策② 記事内ランダムCTAの遷移先を「3つ → 1つ」にした施策

    施策概要

    記事内に設置しているランダムCTAの遷移先を、 3パターン → 1パターンに変更しました。

    変更前は、ユーザーの属性が幅広い(転職潜在層~顕在層まで)可能性を想定し、どれかは刺さるだろう という発想で、複数の遷移先を用意していました。

    ただこちらも効果検証をする中で、元々想定していたよりも、転職意欲の高いユーザーが多い傾向が分かってきたことから、遷移先の選択肢として、「診断コンテンツ」「TOP」をなくし、エントリーフォームへ一本化しました。

    ↑赤いボタンのCTAです。
    ページを読み込む度にランダムで複数パターンが表示される。

    ▼施策前後での変更内容

    パターンAの遷移先パターンBの遷移先パターンCの遷移先
    施策前エントリーフォームTOP診断コンテンツ
    施策後エントリーフォームエントリーフォームエントリーフォーム

    結果・考察

    • SS:22.7%減少
    • CV:125.4%上昇
    • CVR:+25.4pt上昇

    こちらも施策前後でセッション数は大幅に減少していますが、施策前は「診断コンテンツ」がセッションを大きく稼いでいたためです。ただ、「診断コンテンツ」はセッションを稼げるけどCVに繋がりにくい遷移先だったため、これを減らしました。その結果、転職意欲の高いユーザーを、CVに繋がりにくい遷移先に流すことなく、エントリーフォーム にしっかり送り込むことができるようになったため、CVR上昇につながったのではと考えています。

    「減らす」という考え方

    今回の施策を振り返って感じたのは、 「減らす・なくす」という考え方は、慣れてきたときほど意識的に考えたほうが良いなと思いました。

    Webサイト運用をしていると、自分のサイトを見慣れてしまって、初見のユーザーの気持ちを忘れてしまったり、「いつもあるから、これが普通」「なくしたら不親切なのでは?」と感じてしまい、 そもそも減らす選択肢が思い浮かばなくなることがあります。

    この感覚は、 書籍『エッセンシャル思考』を読んだときの感覚と重なりました。

    • すべてをやろうとしない
    • 本当に大切なものに集中する
    • それ以外は、思い切って手放す

    「より少なく、しかしより良く」

    時間の使い方の話として紹介されることが多いですが、 Webサイト設計や導線設計にも、応用できる考え方だなと感じています。

    蛇足ですが、私が「片付け」や「整理」に興味を持ち、 整理収納アドバイザーの資格を取るきっかけにもなった一冊です。

    ※flierでも要約が読めます。
    https://www.flierinc.com/summary/417

    まとめ

    今回は、「ユーザーの選択肢を減らす」というシンプルな視点で行った施策と、 その結果について共有しました。

    今回の結果を通して改めて感じているのは、バナーやCTAは、たくさん出せばクリックは増えるかもしれないけれど、CVRが必ずしも上がるわけではない、ということです。

    これからは、「ユーザーをできるだけ迷わせない」「最低限の接客で、最大の成果を出す 」そんな導線設計を目指していきたいと考えています。

    整理整頓と同じで、

    • 自分にとって大切なものが分からないと、不要なモノは減らせない
    • ユーザーにとって大切なものが分からないと、不要な導線は減らせない

    結局のところ、 ユーザーを理解すること・想像することが一番大切なのだなと、今回の施策を通して改めて感じました。派手な施策ではありませんが、こうした小さな改善の積み重ねが、最終的な成果に繋がるのではないかなと思っています。

    どこか一部分でも、 日々の改善のヒントになれば嬉しいです。
    最後までお読みいただき、ありがとうございました!

    ※本記事は2026年04月時点の情報です。