Copilotエージェントで校正・校閲のできるAIを作ってみた

この記事の目次
はじめに
こんにちは、ゼネラルコンテンツ推進課のI.Tです。
私の課で運営しているエンジニア向けメディアでは、毎月SEO記事を新規・リライト含め30~40本程度リリースしております。(2025年3月時点)
ベンダーから納品されたSEO記事を弊社で校正・校閲していますが、この作業は人力で行うため、担当者によって確認の観点が異なり、質にばらつきが生じてしまいます。
校正・校閲の質を上げ、作業時間を削減できないかと考え、まずはJAPAN AIの利用が頭に浮かびました。しかし、より柔軟に対応できるCopilotエージェントを利用できないかということで、同じ課のY.Kさんが校正・校閲のCopilotエージェント「校正エディター」を提案しました。
Y.Kさんに校正エディターのプロンプトを作っていただき、利用してみると校正・校閲ツールとして実践レベルで使えるものとなりましたので、今回はその作り方と結果を書いていきます。
対象サイト
エンジニア向けメディア
作成手順
①校正・校閲のルールを作る
②作成したルールをCopilotエージェントに設定する
①校正・校閲のルールを作る
まずはCopilotエージェントに設定するための校正・校閲のルールを作りましょう。
(内容は社外秘の為、本記事では伏せさせて頂きます。)
②作成したルールをCopilotエージェントに設定する
上記で作成したルールをCopilotエージェントに設定します。
Copilotエージェントの作成画面にある「構成」の各項目に、作成したルールを当てはめる形で設定します。
▼設定した構成はこちら
名前:校正エディター
説明:Webメディアの編集者として、原稿の校正・校閲を行うエージェントです。誤字脱字、表現ミス、表記揺れ、口語表現、単語の繰り返しなどを具体的に指摘します。
指示:
- ユーザーが添付ファイルまたは直接テキストを送ると、エージェントはその内容を確認し、誤字脱字、スペルミス、日本語として違和感のある表現、表記揺れ、口語表現、同じ単語の繰り返しなどを具体的に指摘する。
- 読者が明らかに違和感を持つ点については、強調して指摘する。
- 原稿の記号(マークダウンなど)については指摘しない。
- 指摘は以下の形式で出力する。
- 問題点(例: 誤字、表現ミス、リンク切れなど)
- 該当箇所の引用
- 修正案(必要に応じて)
- 見出しや太字など装飾部分は無視し、本文のみを確認する。
- 校正校閲の専門家として、専門的な立場で対応する。
▼スタータープロンプト
※下記を「タイトル」と「メッセージ」にそれぞれいれてください。
誤字脱字の指摘
この文章に誤字脱字がないか確認してください。
表現の違和感の指摘
この文章に日本語として違和感のある表現がないか確認してください。
表記揺れの指摘
この文章に表記揺れがないか確認してください。
口語表現の指摘
この文章に口語表現が含まれていないか確認してください。
単語の繰り返しの指摘
この文章に同じ単語が繰り返されていないか確認してください。
総合的な校正・校閲
この文章を総合的に校正・校閲してください。
Copilotエージェントへの設定方法は、下記の記事で紹介していますので気になる方はご確認ください。
- Copilotエージェントでエンジニア向けメディアのペルソナを作ってみた
実際に作成したエージェントは以下です。


これで「Copilot へメッセージを送る」の箇所に記事の全文をコピペすれば、勝手に校正してくれるようになりました。
実際に使ってみた
どの程度の質で校正・校閲してくれるのでしょうか。
試しに、3年ほど更新していなかった以下記事について校正エディターに校正してもらいました。
質問:記事内容コピペ

回答:校正エディター

以下の点について指摘します。
1. 誤字・脱字:
- 「アジャイル(Agile)sとは」→「アジャイル(Agile)とは」
- 「プログラマーが常にペアで相互チッェクをしながら」→「プログラマーが常にペアで相互チェックをしながら」
- 「アジャイル人材にはどのような知識、スキルが求められるのてしょうか?」→「アジャイル人材にはどのような知識、スキルが求められるのでしょうか?」
- 「DX(テジタル・トランスフォーメーション)」→「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」
2. 日本語として違和感のある表現:
- 「アジャイル(Agile)sとは」→「アジャイル(Agile)とは」
- 「アジャイル(Agile)sとは「素早い」を意味する英語です。」→「アジャイル(Agile)とは「素早い」を意味する英語です。」
3. 表記揺れ:
- 「アジャイル開発」→「アジャイル開発」
- 「ウォーターフォール開発」→「ウォーターフォール開発」
4. 口語表現:
- 「アジャイル開発は、大まかなシステムの仕様が決まったら、「手直しを前提に、まずは作ってみる」という考え方にのっとり、極力少ない工数で、短期間で開発をする手法のことです。」→「アジャイル開発は、大まかなシステムの仕様が決まったら、「手直しを前提に、まずは作ってみる」という考え方に基づき、極力少ない工数で、短期間で開発を行う手法です。」
5. 同じ単語の繰り返し:
- 「アジャイル開発のメリット・デメリット」→「アジャイル開発の利点と欠点」
- 「アジャイル開発のメリット」→「アジャイル開発の利点」
- 「アジャイル開発のデメリット」→「アジャイル開発の欠点」
以上の点を修正すると、文章がより読みやすく、正確になります。何か他にご質問や修正が必要な箇所があれば、お知らせください。
「1. 誤字・脱字:」については、さすがAIなので正しく添削してくれますね。
「4. 口語表現:」についても、正しく直してくれています。
しかし、「3. 表記揺れ:」の部分では、表記揺れをしていないのにもかかわらず指摘をしています。
これはおそらく元文字の書式が揃っていない(「アジャイル」の「イ」だけ「ゴシック体」になっているなど)ことから指摘されているのかと思います。
「5. 同じ単語の繰り返し」の部分でも、この記事ではSEOの観点でわざと「メリット・デメリット」を繰り返して記載しているのですが、その点は伝わらずに、SEOKWではない「利点」「欠点」に変えていますね。
使ってみた感想
校正エディターを使っても最後はどうしても目視で確認をしなければならないですが、そもそも誤字脱字や口語表現などが正しいかなどの一次チェックが大変なので、その点をCopilotが変わりにやってくれることで校正作業が非常に楽になるでしょう。
記事の校閲・校正にかぎらず、人の目では正誤判断の難しいSNS投稿文のコンプラチェックエディターなど、様々なエージェントが作れそうです。
※本記事は2025年05月時点の情報です。